初泡体験レポ②
僕がもじもじしている間に、気が付くと彼女は手に取ったボディーソープらしき液体を桶からあふれ出るほどに泡立てていた。泡風呂とはよく言ったものだと僕は思考の隅で納得してた。彼女はその泡を手に取り僕の体に擦り付けた。
「ひゃあっ!」
「くすぐったいですか~?」
自分以外が初めて肌に触れるものだからつい変な声が出てしまい顔を赤くする。それを尻目にクスクス笑いながら僕の身体全身を洗っていく。
そう、”全身”である。股間部だろうがお構いなしに洗う。一番驚いたのはスケベ椅子の使い道である。そこに腕をずぼっと通して腕ごと尻を洗うのである。普段だと絶対味わえない感覚に思わず背筋がぞわついた。しまいには彼女の胸を使って全身を洗ってくるのだ。もう感触と視覚の暴力である。そうやってしばらく身体をごしごしされてからシャワーで流される。
次に向かったのは湯船だ。僕が入ってもまだ余裕がある大きめの湯船に浸かる。肩までしっかり入り温まっているとそこがソープであることを忘れるほど気持ちがよかった。思い返せば、今日はラーメンを食べに集まったはずなのに肝心の目的地が臨時休業してたり、動物園に行っても鳥インフルでペンギンに会えなかったりと散々なことがあったがお風呂というものは不思議なもので、そういった嫌なことも忘れてリラックスできた。
「じゃあ失礼しますね~」
僕が無意識の内に自分だけの世界に入っていると、彼女がそう言いながら湯船に入ってきた。ここが自宅ではなくソープであることをすっかり忘れていた。いやたしかにこの湯船は大きいがさすがに二人が入るほどは大きくない。当然のことながら密着してしまう。”色々”なところが密着する。ToLoveるのリトは毎回こんな風な感触を味わっていたのかと嫉妬するぐらい柔らかい感触が僕の身を包んでいた。お互いの色々な所が肌に当たる。照れている僕を見て笑っている彼女はしばらくじっとして僕の事を見ていた。
どれくらいその体勢のまま経っただろうか、気が付くと彼女の顔が目の前にあった。驚く間もなく、唇が塞がれた。
彼女とキスをした。
始めてキスをした――と言いたかったが、僕の初めてのキスは真に遺憾ながらオカマとである。この件については話せばまた長くなるのでまたの機会にしたい。しかしながら女性とのキスは正真正銘初めてである。2、3回唇と唇がただ触れ合うだけのキスをして、それから彼女は舌を入れてきた。オカマのしてきたキスとはまた違うキスに驚きつつも僕も漫画で得た知識で必死に経験者っぽく対抗した。
「ふふふ、もっと力を抜いて(笑)」
僕の拙い努力も空しく、あっさりと見抜かれる。彼女の舌は僕の上あごや歯の裏を伝ったかと思うと次の瞬間には舌を吸われ、かと思うと気が付くと舌を絡み取られていた。とにかく自由自在に動いていた。僕のあっという間に腰砕けになっていた。お風呂の温度か、彼女のテクのせいか、あるいは両方か。お風呂に浸かっていた僕はクラクラにのぼせ上っていた。
「じゃあ…ベット行こうか」
名残惜しくも唇を離した彼女はそう耳元で囁いた。ついに卒業するときが来たのか。僕はぼんやりしていた頭を振って覚悟を決めてから湯船から出てベットに向かった。
「どうしたい?」
ベットに腰かけた僕の前に立った彼女は蠱惑的にそう聞いてきた。
「えっと、じゃあ、あの…き、騎上位とかいうのをやってみたいです…」
「えっ、いきなり体位の話なんだ(笑)なんかこう触ってみたいとか見てみたいとかないの?」
なるほど、失念していた。いや、焦っていたのだろう。僕は卒業できると急くあまり、見慣れない女性の身体にまだちゃんと触れてないことを思い出した。たしかにそれでは勿体なさすぎる。反省もつかの間、すぐにやりたかったことを口にした。
「あの、胸を触ってみたいです」
「うふふ~だよね(笑)はい、どーぞ」
彼女はそういいながら僕のすぐ隣に正座した。
胸である。学生時代の頃は幾度なく妄想し、透視さえ挑んだあの二つのお山が今、目の前に一糸纏わずにそこに鎮座しているのだ。僕はごくりの唾を飲み込んだ。
「それでは僭越ながら…」
「僭越って(笑)」
あまりの緊張に変なことを口走りながらも手を伸ばして揉む。柔らかい。CかDぐらいだろうか(ネット調べ)ちょうど手に収まるぐらいの大きさである。あぁ――よく胸の柔らかさを二の腕だの耳たぶに例えられるが、たしかに似ている。しばらくIQが下がったかのごとく「すごーい」や「柔らかーい」と口ずさみながら胸の感触を楽しんだ。しばらく揉んでいると次の欲求が湧いてくる。男としてはやはり吸ってみたい。
「・・・吸ってもよろしいでしょうか?」
「いちいち敬語じゃなくてもいいのに(笑)いいよ~」
恐る恐る先ほどまで揉んでいたそれに口をつける。先端を噛まないように気をつけながら舌で転がしてみたりと感触を楽しんでみる。当然だが母乳はでないが、なぜだろうか。たしかに口に含んでいるとどこか安心感のようなものが湧いてきた。これが巷でよくいう”バブみ”というやつだろうか。
一通り楽しんだあと口を離すと、視線はどうしても下に向かっていく。正座をしているためよくは見えないが、男としてやはりどうしても目はそこにいってしまう。局部である。僕はしばらくそれを言おうかどうか迷ってしまった。しかしだ、金を払った以上最大限楽しみたいのもあるし、なによりやはりどうしても好奇心があった。僕は勇気を奮い立たせて口にした。
「下の方も・・・見たいです!」
「お、そうだよねそうだよね~見たいよね~」
僕の覚悟もどこ吹く風で彼女はあらかじめ分かっていたかのように返事を返した。正座していた足がM字に開いた。そして公開される陰部。AVや漫画ではモザイクが掛かっていて普段絶対に見られない部分である。
初めて見た率直な感想だが、「思ったよりも普通」である。よくグロイだのメデューサだの言われているが、そんなこともなくむしろ逆におぉ…と小さく呟いてしまったほど神秘を感じさせる何かがそこにはあった。さきほど脱いだ時にも感じたが毛がよく整っており、聞くと脱毛をしているそうだ。それがまたいいアクセントとなり、全体を引き締めていた。
しばらく魅入っていると彼女は手でそこを広げて解説をしだした。まるで性教育を受けるおねショタ物である。否が応にも高まる興奮。彼女はひとつひとつ指をさし、時にはなぞり、そして奥を広げて解説をしてくれた。
「…口をつけてもいいですか」
「もちろんだよ~」
「失礼します・・・」
そんな会話をしながら口に含む。まず顔を近づけて思ったのが臭くない、という事である。よくソープにいって地雷に当たったと話す人でよく言うのが臭かったというのがあったので、そこが怖かった。しかし彼女のはあまり匂いが感じるほどではなかった。舌を伸ばすと、ほんのりと酸味がした。舌で穴に入れたり突起を舐めたりしていたが、感動はしたが思ったより楽しくはなかったのですぐに切り上げた。顔をあげると彼女と目があった。
「じゃあ、そこに寝そべって」
彼女は妖しく微笑んでそう言ってきた。ついに来るのかと僕の胸の高まりは最高潮に達した。
………
……
…
次ラスト